村谷さんのこと(3)
『重ね描きの村谷さん』
先日、村谷さんのお盆供養に参加させてもらった。
氏の県将棋界に残した足跡は偉大だ。
それを再確認した席でもあった。
さて、村谷さんは、表面、ぶっきらぼうだった。
送ってくるメールや電話にしても、「用事だけ」ってのが多かった。
でも、時々、「えっ!」と思うメールが届くことがあった。
僕が一番印象に残っているメールを紹介したい。
こう書いてあった。
「有田さんへ。芙蓉(ふよう)の花はもう咲きましたか?」
これだけだ。用事は、まったくない。
前後もまったくない。
たった一つの文だけ。
でも、村谷さんは、僕にこのメールをくれた。
時々、我が家を訪れてくれた村谷さん。
その時、芙蓉の花を目にしたんだろう。
それを、こうしてメールにしてくれた。
用事だけの村谷さん。
用事なしの村谷さん。
2つのデッサンを重ね描きした姿、僕は、そんな村谷さんを思い出す。
連合会主催の追悼大会。僕は、残念ながら参加できない。
ごめんね、村谷さん。
それと、芙蓉はまだです。
もう一つ。
大学講座、やっぱ、さみしいなあ。
がんばるよ~。